気候、気温、湿度など、それぞれが、もしくはそれらがタッグを組むことによって食べものや水物が痛んで腐ったりカビたりしやすい状況を作ります。春とはいえ、寒さが戻ってきたと思えば初夏のような陽気になったり。そして、本日はとても暑いです。

それでも世の中の食べものや飲み物は腐らずカビず食すことができるのは、一重に防腐剤などの保存料のおかげという部分もあります。

・・・が、もう至る所で聞く話ですが、安心安全にはほど遠い物も多いということ。

今回は保存料について。

そもそも、腐敗は微生物の働きで分解されて有毒なものができたり、臭いが発生したりすることですが、今のように保存料を添加して簡単に防腐できなかった昔は

  1. 乾燥させて、要因になる水分を取ってしまう(高野豆腐・干し芋・たたみいわし・干し柿・切り干し大根など)
  2. 食塩や砂糖を使用して、やはり水分活性を下げてしまう(新巻鮭・塩いか・福神漬け・このわた・鯖寿司・しば漬けなど)
  3. お酢を使ってpH値を下げる(千枚漬・ままかり酢漬け・はりはり漬け・タコの酢漬けなど)
  4. 煙で燻して殺菌、抗菌作用を上げる(鰹節・いぶりがっこ・仙台味噌・燻り豆腐など)

という、手段で微生物の増殖を抑えて保存していました。歴史は古く、紀元前から塩を使ったり燻製したり、発酵も古代からの手法です。日本でも弥生などの昔から塩やわさび、山椒など辛みをつけたりして食品を保存してきました。各地域では特産品になって、現代でも受け継がれています。

近年になると化学物質から作られた添加物は手軽に安価に保存料として使用されるようになって、手間も減らすことができ、コストも削減でき、そして味もさほど変えることなく加工できるようになったわけです。

それと一緒に安全は棚上げされました。

では、食品添加物としての保存料は厚生労働省において規格や基準が定められています。その数ざっと455。その中からよく口にする代表的なものを2つ調べました。

「安息香酸・安息香酸ナトリウム」

マーガリンや清涼飲料、醤油、ペースト、キャビアなどに使われています。大まかに言うと飲料、果実製品、ふくらし粉を使用したお菓子や香辛料の中に保存料として使用されています。細菌、カビ、酵母類に抗菌作用があり、酸性域で強い作用があり、pHが高くなると弱まります。

懸念材料としては、元気な人ではほとんどありませんが、安息香酸・安息香酸ナトリウム共に非免疫性の接触反応(仮性アレルギー)を起こすことがあり、感受性が高い蕁麻疹や喘息をよく起こす患者では症状などの悪化があることがあります。

食品に不快なにおいを与えることがあるのが難点であり、酵母菌への阻害作用があるため、イースト使用の発酵製品には使用できない。

世界保健機構 国際化学物質安全計画より引用

安息香酸は自動車の排気ガス中や日本の煙草から(主流煙と副流煙)も微量ですが検出されます。安息香酸ナトリウムの方が水に対しての溶解度が安息香酸の200倍あるため好んで使用されています。

「ソルビン酸・ソルビン酸カリウム・ソルビン酸カルシウム」

主にチーズや練り製品、食肉製品、あんや乳酸菌飲料、ワインなどに使用されています。酸性域では力を発揮するのだけれど、中性域ではあまり効果がないもので、抗菌作用は強力でないぶん、カビや酵母類に広く抗菌するので使用感は良いとのこと。

基本、問題ないですとか、発がん性は認められませんという文書が出ておりますが、化学式で見ると、ソルビン酸と亜硝酸塩が反応して突然変異を誘発する物質が生成されます。このことは舛添要一氏が厚生労働大臣の頃に食品安全委員会が「添加物評価書」で記載されています。

C.ソルビン酸類と他の食品添加物等の相互作用

① ソルビン酸類と亜硝酸塩
a.DNA 損傷試験
(ソルビン酸と亜硝酸塩)
ソルビン酸が広範に使用される一方、亜硝酸塩も食肉製品の発色剤として多用され、両者がしばしば共存するという事実と、両者の加熱試験反応により DNA 損傷物質が産生されることが報告されている。更にその主成分は ENA であることがわかっている。しかしながら、この結果は特別な in vitro における実験条件下で得られたもので、ソルビン酸と亜硝酸ナトリウムが食品中に共存した場合に実際に形成されることを意味するものではないとされている。

大丈夫的なことが書いてありますが、DNA損傷はpHも大きく関わりますので、空腹時の低いpHの時には要注意です。

つまりは、消費するにあたって、腐った物を食べてお腹を壊すことを避けるということや、物流の事も考えて消費期限を延ばすということを前提に、防腐剤は使用されていますので甘んじて従うわけです。

ただ、防腐剤や食品添加物に化学物質ばかりがあるわけではありません。ちゃんと天然の物もあるのです。

食品添加物リストの113番にグレープフルーツ種子抽出物がのっています。グレープフルーツ種子抽出物(GSE)は天然の防腐剤とも言われています。夏の暑い時期にグラスのお水に入れて常温で二週間ほどそのままにしていてもお水が腐ったり臭ったりということもありませんでした。

腐敗、発酵が起こらないように静菌・除菌をグレープフルーツ種子抽出物がしているのです。一定期間、腐敗が起こらないということは、抗菌力も強いということです。

実際、流通しているおむすびやお漬物などにも使われているのです。

既存食品添加物は昔から使われている天然素材のもの。さらに、それを再度検証し直しているからなおのこと安心ですね。GSEも検証され、認証されています。

安心して食べたり飲んだりできるための防腐剤も、安心安全であれば良いなと思います。グレープフルーツ種子抽出物のように天然で安心安全な除菌抗菌剤は防腐剤としても優秀なのです。

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