四季問わず食中毒のリスクが増えているのは、生活空間の温度管理ができていて、心地よく過ごせる環境にあるからだと言われています。
人にとっての心地よい温度は菌にとっても増殖しやすい温度であることが多いのも知られています。
食中毒の原因は菌やウィルスの増殖ですが、菌が増殖した場合、食中毒になることもありますが、食品が腐る「腐敗」がおこることもあります。腐敗と食中毒について、ちょっと深掘りします。
腐敗
腐敗とは物が腐ることですが、食中毒の原因でもある腐敗には、「腐敗」と「変敗」と呼ばれる現象があります。
腐敗現象は
- 着色・・・色素を持っている微生物が成育した時に色が現れます。微生物全般が関わっており、特にハム・ソーセージ・パン・菓子類・タマゴ惣菜などで見られます。
- 異臭・・・微生物が成育したときに、代謝産物として臭いのある物質を作り臭います。嫌悪を感じる臭いや甘い匂い、アルコールの様な臭いなどさまざまあります。バチルス属の細菌や乳酸菌、酵母が原因になります。食品全般で見られます。
- ネト・・・食品中の糖から粘り状の物質(ネト)が生成し、粘りが出ます。粘り状の物質は主に「デキストラン」というもので、透明で臭いがないのが特徴です。乳酸菌が原因です。かまぼこで現象が見られます。「ネト」はもう一つの種類があります。食品中のタンパク質、アミノ酸類から粘性物質が生成されるバージョンで、臭いがあり乳酸菌と違って粘性が高いのが特徴です。バチルス属の菌が原因になります。主に肉加工品で見られます。
- 軟化・・・微生物が食品内部に侵入して食品の組織を分解することで軟化します。バチルス属の菌が原因で、これもかまぼこに現れます。
- 膨張・・・主に酵母が起こす現象であり、包装が膨らみ、ひどいときには破裂することもあります。乳酸菌、酵母が原因です。漬物や洋菓子でよく見られます。
- カビ・・・カビが目で確認できるほど生育した状態のことです。もちろんカビが原因です。餅、パン、菓子類でよくおこります。
上記の現象は全て「腐敗」と呼ばれます。
ちなみに「変敗」とは炭水化物や脂肪が分解されて風味が悪くなる、という状態です。食用に耐えない状態になる、食べる気がなくなるような美味しくなさそうになることから、腐敗だけでなく酸化の状態なども当てはまり、大きな意味を持ちます。
腐敗と食中毒の菌は一緒?
答えは「違います」です。
腐敗菌は代表的なものがあるものの、どんな微生物によっても起こるとされています。反して食中毒菌とは特定の微生物によって生じる物であり、腐敗が進んでいない食品でも、特定の菌が増殖して発症します。
腐敗と食中毒は一緒?
これも「違います」です。
- 食中毒・・・臭いや色などの見た目で判断できない
- 腐敗・・・臭いや色などの見た目で判断できるもの
そして腐敗は必ずしも食中毒をおこすわけではありません。
食中毒は一定の菌数を体内に入れてしまうと症状が出ると書きましたが、食べることはできるし、見た目もわからないことが多いです。腐敗は発症ではなく可食性を失わせる、つまり食べることができなくなる状態をつくることです。
食中毒は発症する菌数で症状が出ると「食中毒」と認められます。腐敗は1g中の生菌数が107~108になると「腐敗している」と認められます。しかし認められるだけで、これで食中毒がおこります、とはなりません。
つまり、腐敗は腐っていてもそのままダイレクトに食中毒には繋がらない、菌の数=お腹を壊しますよ~ではないということです。
とは言え、もちろん食中毒になることも多々ありますので食べないにこしたことはありません。
腐敗を回避するために
見えない食中毒より回避しやすい腐敗ですが、どちらも細菌が原因ということは同じです。
加工食品は消費期限を守ることで回避できます。
生野菜など加工されていないものの腐敗は、回避と言うよりも腐敗しにくい状態をつくることも大切です。
保管や温度などはもちろん、除菌でも腐敗を遅らせることができます。
GSE(グレープフルーツ種子抽出物)水溶液を使うと
- 食品添加物(既存添加物)なので食品の保存にも安心
- においがないので、万が一腐敗が始まってにおいが出た場合に気づきやすい
- 800種類の菌やウィルス、100種類の真菌(カビ)へのエビデンスがあるので幅広く使える
- 洗い流す必要がない
などの利点があります。
美味しい食材を美味しい状態で食したい、そのためのお手伝いができる除菌剤は天然成分だけのものが安心です。