世間では毎冬のインフルエンザや昨今のコロナ禍において、ますます「ウィルス」に詳しくなっていますが、「ウィルス」と一言だけでなく、
- DNAウィルス
- RNAウィルス
- エンべロープウィルス(エンベロープあり)
- ノンエンべロープウィルス(エンベロープなし)
と、4種類の言い回しがあります。
これは「DNA」「RNA」は遺伝子情報、どんな性質のウィルスなのか、であり、「エンべロープ」「ノンエンべロープ」はどんな装いをしているか、という違いです。
不活性化(不活化)とは
微生物などを様々な手法(薬剤・熱・紫外線など)で死滅または感染性を失わせることを不活化と言います。
特にウィルスに関しては、宿主(人や動物の細胞)に接触しても感染しない状態にすることを「不活化する」と言っています。
DNA・RNAとは
「ゲノム」という言葉をよく聞きます。これは遺伝子の全体を指す言葉です。遺伝子の集合体という意味で、受け継がれる情報です。人間でも親子で一部身体的やなりやすい病気などの特徴が遺伝しますが、この「何が似る」の部分が遺伝子情報です。
ウィルスの中にある遺伝子はその構造が少しだけ違います。核酸と呼ばれる鎖のような構造の物が1本か2本かであり、数が違います。ウィルスの遺伝子情報であるDNA・RNAの違いは
- DNA・・・2本鎖であり、1本がバックアップ機能を持っているため、遺伝する情報が安定しており変異しにくく、ワクチンが効きやすいので駆逐しやすい。
- RNA・・・1本鎖のため、ピンチの時に遺伝する情報を変えることで生き残ろうとするので、次々と変異することからワクチンを作りにくい。
インフルエンザやコロナがどんどん変異株を作っていくのは遺伝子がRNAであるからです。
エンベロープ・ノンエンベロープ
これはかなり耳慣れたよく聞く言葉ですが、膜(エンベロープ)があるか、ないかです。
エンベロープあり・・・脂質でできた二重膜であるため、アルコール消毒や石鹼や胃酸など脂質を壊すことが得意なものは有効で、巷の除菌剤も比較的不活化しやすい性質。
エンベロープなし・・・外側の脂質膜がないものであり、脂質膜を壊すことで不活化する仕組みの除菌剤が効きにくい。
エンペロープという脂質の二重幕を使って感染するエンベロープウィルスは感染のための道具である膜が無くなることにより感染できなくなる、という仕組みです。ゆえにエンベロープを使わず感染するウィルスにアルコール消毒などが効かない理由です。
したがってノンエンベロープウィルスの方が不活化しにくい、とも言えます。
組み合わせで知るウィルス
以上の事から、ノンエンベロープ(エンベロープなし)でRNAウィルスは不活化しにくく変異性を持っていてワクチンも効きにくく、要注意ウィルスであることがわかります。
おおまかにわけると以下のようになります。
エンべロープありDNAウィルス
水痘・帯状疱疹・天然痘・B型肝炎・単純ヘルペスなど
エンべロープありRNAウィルス
新型コロナウィルス・SARS・MERS・テング熱・C型肝炎・風疹・AIDS・インフルエンザ・麻疹・エボラ出血熱など
エンべロープなしDNAウィルス
伝染性紅斑・流行性角結膜炎・ロタウィルス・尖圭コンジローマなど
エンべロープなしRNAウィルス (要注意ウィルス)
ノロウィルス・ポリオウィルス・ヘルパンギーナ・手足口病・急性出血性結膜炎など
一概に「ウィルス」と言っても、こんなに分類されます。
さらに1本鎖プラスや逆転写など細かくなりますが、そこは今回は割愛します。
浸透圧と抗菌性で絶対量を減らす
日々の除菌作業で、不活化しやすい・しにくいを都度考えるのは大変です。
GSE(グレープフルーツ種子抽出物)の水溶液は天然のフラボノイドの中に併せ持っている天然の界面活性剤成分でウィルスに取り付き、浸透圧で核を引き出し不活化します。エンベロープのないウィルスはもちろん、DNA/RNAウィルス、さらに除菌しにくさトップとも言われる芽胞菌も除菌します。
そしてGSEは長い時間が経過しても成分の除菌力と抗菌力が衰えないため、床やテーブルなどの上にスプレーしておけば、乾燥したまま菌やウィルスを待ち受けて不活化を続けます。
次亜塩素酸系やアルコール系のように、頻繁にシューシューとスプレーをする必要がありません。ウィルスと共存の時代にマッチした除菌抗菌剤だと言えます。