排便臭自体はスカトールやインドールと呼ばれる悪玉菌がタンパク質を分解する時に作られる物質ですが、それは腸内のお話です。食生活や生活習慣、飲んでいる薬などヒトに関わることで腸内環境がどういう状態か、で概ね決まります。

今回はその作られてしまった排便臭が、外に出たあとのお話です。

排便臭のニオイ成分

排便臭は1種類のニオイでできているわけではありません。

臭気成分物質は

  • 硫化水素
  • ノルマル酪酸
  • イソ吉草酸
  • ノルマル吉草酸
  • アセトアルデヒド
  • メチルメルカプタン

などが主なニオイ成分です。

それぞれのニオイは

  • 硫化水素・・・(腐卵臭)温泉の臭い。
  • ノルマル酪酸・・・汗臭い臭い。
  • イソ吉草酸・・・言わずと知れたむれた靴下のような臭い。
  • ノルマル吉草酸・・・これもむれた靴下のような臭い。イソ吉草酸と科学的な部分での違いなだけなので、臭いが同じなのは納得です。
  • アセトアルデヒド・・・青くさい刺激臭。
  • メチルメルカプタン・・・腐ったタマネギのような臭い。

これらが混ざって排便臭になるのです。もちろん個人差がありますので、ヒトによってや時と場合によって臭いも変わりますが、基本的な臭い成分は上記のものが主です。

ニオイ成分の強さ

それぞれの成分の臭気強度はどの程度かというと何のニオイかがわかるくらいの弱い臭いを感知できるレベルで

  • 硫化水素・・・0.02ppm
  • ノルマル酪酸・・・0.001ppm
  • イソ吉草酸・・・0.001ppm
  • ノルマル吉草酸・・・0.0009ppm
  • アセトアルデヒド・・・0.05ppm
  • メチルメルカプタン・・・0.002ppm

微量でも何のニオイかわかるということは、数値が低ければ低いほど強いニオイということです。イソ吉草酸とノルマル吉草酸の臭気強度レベルがかなりたかく、イソ吉草酸は1滴でも東京ドームに垂らすとドームがかなり臭くなるといわれていますが、納得です。

高齢者のオムツから臭気を採取した実験では、閾希釈倍数(いききしゃくばいすう)を出しています。閾希釈倍数とはその臭気が無臭に感じられるまでに要する臭気濃度のことで、ヒトの嗅覚で50%の人が認知する濃度に対する倍数です。数字が大きければより感覚に影響する物質と言うことになります。

  • 硫化水素・・・10
  • ノルマル酪酸・・・95
  • イソ吉草酸・・・210
  • ノルマル吉草酸・・・88
  • アセトアルデヒド・・・8~15
  • メチルメルカプタン・・・20~140と個体差あり

以上のことを見ても排便臭におけるイソ吉草酸は強力な臭気であることがわかります。

ニオイの広がり

建築の論文でおむつ交換時のニオイの広がりの臭気分布を調査しています。

病室で2.5×2.5mほどの場所でのおむつ交換時の調査で、ベッドを中心に床上10cm、中間点125cm、天井250cmの高さで開始から16分経過後までの一連の流れでのニオイの分布です。

  • 1分・・・おむつ交換中は中間点での臭気指数が最大21、天井付近に一部13くらいに広がります。
  • 1分40秒・・・交換終了時は中間点で27まで上がり、天井と床上で最大17まで上がります。
  • 4分後・・・カーテンを開放時は中間点25、天井21、床上最大25です。
  • 16分後・・・中間点13、天井13、床上9-11です。

このことから、ニオイは上に上がりやすいことと、ニオイが簡単には消えないことがわかります。

まとめ

排便臭のニオイは主な成分のどれも悪臭や不快なニオイと言われる物のミックスであり、その強さも強力であることがわかります。

その強力な悪臭成分はあっという間に上下左右に拡散し、空間に長時間滞留するということも確認されています。

除菌消臭スプレーをすることで、ニオイの元を無くすことと共に上に上がりやすいニオイ成分を床に落とし、感覚的な嗅覚で感知する悪臭を空間に残さないことも必要です。

GSE(グレープフルーツ種子抽出物)水溶液なら、スプレー時に水溶液のニオイもないので、長時間残りがちなニオイの成分と混ざって、違うニオイにすることもなく、除菌と抗菌もします。

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