自宅介護においての悩みをアンケート調査した結果「臭い」についての悩みが4位にランクインしています。
1位 自分の精神的負担(63.6%)
2位 自分の身体への負担(37.5%)
3位 要介護者の食事の準備(30.8%)
4位 介護時の臭い(29.3%)
5位 要介護者の衣類や寝具の洗濯(22.1%)
6位 要介護者の部屋の清掃(20.6%)
介護環境の臭い
介護環境での臭いの原因は
- 身体から(口臭 加齢臭 汗臭)
- 排泄臭(尿臭 便臭)
- 移った臭い(衣類 寝具 布)
上記3つの事と考えられます。
排泄臭に関しては前回書いた通り主な臭いの成分は以下です。
- 硫化水素
- ノルマル酪酸
- イソ吉草酸
- ノルマル吉草酸
- アセトアルデヒド
- メチルメルカプタン
高齢者の体臭といわれる身体から発する臭いは
- 口臭・・・硫化水素、メチルメルカプタン、ジメルサルファイドなど
- 加齢臭・・・ノネナール
- 汗臭・・・アンモニア、酢酸、イソ吉草酸
これらの成分が合わさって「介護環境の臭い」となります。
通常の家庭と介護環境の臭気の違い
一般家庭の臭気を調べた論文があります。
実験したすべての家庭から検出された臭気は
- トリメチルアミン
- 硫化メチル
- 酢酸
- n-吉草酸
- カプロン酸
- ヘキサナール
- ヘプタナール
- n-オクタナール
- ノナナール
- 2-ノネナール
酢酸や吉草酸、ノネナールなど重複している成分はありますが、介護環境で発する臭い成分は、また違ったものであることから、違う臭いを感知し「異臭」として捉えやすいのではないでしょうか。
介護環境の臭いの理由の一つに高齢者になると体臭が変わるということがあります。
高齢になると皮脂腺から出る「脂肪酸」や「過酸化脂質」の量が増え、加齢臭が発生しやすくなり、結合・酸化・分解され「ノネナール」という臭い物質ができることが原因です。
糖尿病や内臓の病気等によって体臭が変化する場合もあります。
介護が必要な高齢者は、毎日お風呂に入ることが難しく、衣類や寝具に臭いがしみついてしまうとなかなか消えません。高齢者のなかには入浴や洗髪を嫌がる方もいるため、汗・垢・皮脂などに雑菌が繁殖して体臭を強く感じることもあるでしょう。
さらに老化により皮膚の働きも変わります。皮膚機能の変化があることで高齢者の体臭に関与する脂質は、皮脂腺や汗腺という皮膚の分泌腺から分泌される可能性と、表皮に由来する可能性が考えられるとされています。
若い人(40歳前)はノネナールが生じないこともわかっています。
さらに、介護が必要な高齢者は身体の機能の衰えもあり、入浴回数が減ってしまうことも一因です。入浴回数が減ると、汗や垢、皮脂など汚れを洗い流すことが減るため、細菌が繁殖し臭いが強くなってしまいます。
そんな体臭と排泄臭が部屋にこもり、それが衣類や寝具に移ったり、時間経過とともに部屋のカーテンやカーペットなどの臭いを吸着しやすい布物を中心に拡散し定着することで、全体的に介護環境の「異臭」として感知されるのです。
臭い対策
介護業界での臭い対策は様々ありますが、大きくは
- こまめな換気で濃度の濃い臭いを外に放出
- 口腔ケアで口臭を抑える
- 汗を拭いたり、できるだけ入浴回数を増やして体臭を抑える
- 排泄物の処理時の消臭や廃棄方法で臭いの拡散を抑える
- 消臭スプレーなどを使う
1,の換気は有効です。天気や気温にも左右されるものの、気分の変化も見込めるので環境改善としてとても良いです。
2,3,に関しては介護時に病院や介護関係者の方とよく相談し、こまめにケアをすることで臭いを抑えます。
4,は臭気の中でも強いものなので、香料などを用いらず消臭することができれば、感覚的な臭いがかなり抑えられます。
5,は香料をつけることなく消臭できるスプレーであれば全体的な臭い対策ができ、快適度が上がります。
GSE(グレープフルーツ種子抽出物)水溶液と介護環境
過去のブログでも書いてきましたが、GSE水溶液の便臭、尿臭の消臭はかなり高く、おむつであってもトイレ(ポータブルトイレでも)であっても香りをつけず消臭ができます。
臭いの元を除菌することで消臭が可能です。
もう一つ、介護環境の布物などに移った臭いにも有効です。移った表面の臭いを消臭し、その後、繊維の奥の臭いにも抗菌することで長く消臭します。
万が一吸い込んでしまったり、かかってしまったとしても弊社GSEは無刺激であり、アレルギーテスト・累積刺激テスト済みですので安心です。
介護する側もされる側も、気になっている臭いはもちろん、消臭時の臭いも気になりません。