カビ臭の原因はカビと別の物質によるもの
カビ臭はカビ自体が臭っているわけではありません。カビの胞子は空気中にごく微量ではありますが含まれています。ただし、気づかないレベルの量です。そのカビが着地をし育ち、カビが生成する物質と、カビが餌にする物質がニオイを発しています。
カビ臭は官能閾値(人が感覚的に刺激を感知できるかどうかの境目の強さ)が低く、極僅かな量でも感知すると言われています。「官能閾値が低い」という表現は極微量でも感知する、カビの場合はほとんどが不快感などを感じる臭いの量が極微量であるということです。
カビ臭として表現される原因物質は1つではありません。その中で代表的なものはトリクロロアニソール(TCA)という物質です。
元は木材などの防かび剤であるトリクロロフェノール(TCP)をフザリウム属菌などのカビが関与してトリクロロアニソール(TCA)という物質になり、これがカビ臭の1つとして認識されています。
ワインのコルクもTCAが原因物質です。コルク樫の防かび剤で散布された残留TCPが、塩素漂白が原因でTCAの元が発生して臭いを発します。そう、塩素系溶剤は相性がよくありません。
細かく言うと、トリクロロアニソール(TCA)とカビの繁殖とで発生する物質が臭いの原因です。
そしてカビ臭のニオイ成分はアンモニアなどの物質より1万倍くさいと言われています。強烈です。
トリクロロアニソールは良い香りへの弊害も
TCAはカビ臭の原因だけでなく、ニオイ刺激の伝搬を阻害する「嗅覚のマスキング」という現象を起こすという論文があります。ここでもトリクロロアニソール(TCA)は人類が知る最強のカビ臭物質と書かれています。
概要:食料・飲料における異臭事故は毒性など関係なく製品の回収と廃棄につながる。ワイン業界だけで年間1兆円は下らない規模である。
トリクロロアニソール(TCA)はワインだけでなく、住環境でもおこる。住宅の中の木材にカビが生え、それがTCAに変化しているため、衣替えなどで衣服からもカビ臭がする。
カビのマメ知識
カビは糸状の菌糸の先端から水分や栄養分を吸収しながら伸びます。根を張るかのようにある程度伸びると胞子を作り空気中に飛ばします。胞子ができる前は白く、カビが黒や青など色を持って見えるのは胞子の色です。つまり、色が着いたら飛び散る可能性が高いということです。
カビにはGSE(グレープフルーツ種子抽出物)がオススメ
カビ自体が臭っているわけではないことがわかりましたが、カビがニオイに関与していることは間違いありません。
カビ臭を退治するには、カビの除菌が基本になります。もちろん、臭いだけでなく健康的にもカビはできるだけない方がいいです。
カビは知らぬ間に生えて育っていて、気づくとカビ臭がしているということがよくあります。
カビが生えてから対処するのではなく、待ち受けて対処する方法がオススメです。カビの発生場所は常に生活している所というより、押し入れ、クローゼットや納戸など、頻繁に開けたり風を通したりする場所でないことの方が多いです。
引っ越しの時、大掃除の時期、入れ替え時などのタイミングで、GSE(グレープフルーツ種子抽出物)で抗菌コーティングをすることをオススメします。カビの育ちにくい環境をあらかじめ作っておくことで、カビ臭の原因の一端であるカビを抑制します。